2018年12月10日、私は早稲田大学で実施されている「ブロックチェーンの動向、スタートアップとキャリア」というイベントに参加しました。
すでに終了したイベントですが、タイムラインなど詳細なスケジュールについては公式URLに記載されています。
本イベント内では、仮装通貨およびICO規制の最新動向についてのセクションがありましたので、該当セクションの内容について簡単にまとめておこうと思います。
法律事務所Zelo 小笠原先生
今回お話いただいたのは法律事務所Zeloの小笠原先生。小笠原先生は早稲田大学の法学部を3年で卒業後、東京大学のロースクールへ進学。司法試験合格後は森濱田法律事務所で企業法務に従事し、現在はAIサービスを提供するスタートアップと提携し、AIによる法律相談サービスを提供しているスーパーエリートです。
小笠原弁護士は書籍も出版されています。ブロックチェーンのビジネスを実際に行なっている・これからしたいと思っている事業者にとって欲しい知識が一冊にまとまっており、必須の本でしょう。
今回小笠原先生は、仮想通貨を巡る規制の現在に至るまでの流れと、今後の規制の方向性についてお話くださいました。
現在に至るまでの規制の流れ
今後の仮想通貨に対する規制の方針
- 顧客資産の管理と保全。コールドウォレットでお客さんの資源を確保しないといけなくなるでしょう。
- 倒産リスクに備え、信託義務を付加することも考えられます。
- 業務の適切な遂行の確保。取引の透明性確保、過大広告の禁止などは当然考慮されるべきと考えられます。
おおよそこのような内容での規制になるだろう、とのことでした。
成熟した市場へ
また小笠原先生は最後に「仮想通貨の業界自体も、ベンチャーのビジネスから少しずつ成熟したビジネスに移行しているところ」との感想を述べておられまして、私もこれに同意しています。
最近はブロックチェーンを単なるバズワードとして消費し、無限の可能性がある!と語る風潮が薄れ、ブロックチェーンはどの領域に適していてどんなことには不向きなのかを少しずつ試行錯誤して語られるようになってきています。このように仮想通貨およびブロックチェーンについても地に足がついた開発が進んでいますし、規制の方針も定まってくるでしょう。もう2018年も終わりですが、2019年は投機の先が注目される年になりそうですね。
仮想通貨に関しての規制周りを実務的な側面からもっと知りたい方は小笠原弁護士はじめ法律事務所ZeLoの先生方が執筆されたこちらの書籍をどうぞ。
本書籍の書評も「『ブロックチェーンビジネスとICOのフィジビリティスタディ』は最新の仮想通貨規制とビジネスの把握に最適」の記事にて公開しておりますので、もし購入するか迷われている方は、ぜひご覧ください。