ブロックチェーンと「STO」の話。3分でセキュリティトークンの本質を理解する

2018年ごろからブロックチェーン業界を賑わせているセキュリティトークン。しかし私を含め、その意義や機能に関してあまりぴんと来ていない人が多いのではないでしょうか。

今回の記事では自分の備忘録もかねて、なるべく簡単にセキュリティトークンの概要について書いておきたいと思います。

 

セキュリティトークン(security token)とは

セキュリティトークンとは一言で言えば「証券性のある仮想通貨」です。securityとはプライバシーや安全面の文脈で使用される日本語の「セキュリティ」の他に「有価証券」という意味がありますが、セキュリティトークンは後者の文脈で有価証券をトークン化したもの、という意味があります。

そもそも個人・組織がトークンを発行する目的には大きく分けて

  • 電子マネーのように、特定のプロダクトを利用する・プロジェクトを中心とした特定の経済圏で使用する
  • トークン自体に証券的な性質を持たせ、値上がり・値下がりする投資対象として扱う

の2種類があります。前者がユーティリティトークン(Utility Token)と呼ばれる一方で、この後者がセキュリティトークンになります。

STO(Security Token Offering)とは

一言で言えばセキュリティトークン特化型ICOです。

これまでのICOでは、仮想通貨を発行したいと考えた人であれば、規制なしに発行できていました。その参入障壁の低さゆえ、2017年をピークにICOは新たな資金調達として利用されながらも、調達済みのプロジェクトが開発を放棄したり、資金を持ち逃げする事例が多発しました。このようなプロジェクトは詐欺(scam)と呼ばれ、仮想通貨を取り巻く負の側面として語られてきました。

加えて自分たちで発行した通貨が「値上がりする」ことは証券性を帯びています。このことから、ICOで発行されたトークンには金融商品としての規制が必要なのではないか、という議論も浮上しました。

すなわち①犯罪が多く②証券性が問題になっているという2点から、各国の政府が規制しにかかっていたわけですね。

特に米国の規制は厳しく、米国証券委員会(SEC)が「The DAO事件で発行されたトークンはHowey Testという有価証券を判断する判例に照らすと有価証券だったため、本来は我々(SEC)に届け出るべきだったと思う」という趣旨のアナウンスメントをしていますし、このような米国の厳しい規制に対して「後から規制当局に注意されるくらいであれば、最初からSECのルールにしたがって仮想通貨を配布すればよいのではないか」という思想で登場したのがSTOです。

個人的には「あらかじめ当局とすり合わせをしながら、既存のICOを合法的に実施しようとしている」のがSTO、という認識かなと。

ただ当然基準は既存の金融商品同様の規制を受けるため、かなり厳格なものになります。その規制をクリアするために今いろんなプロジェクトが出てきているよ、というのが今のSTOに関する現状です。

STOによって実現されること

ではSTOによって何が実現されるのか?というと、以下の通りです。

すなわち既存の金融取引に革命をもたらすかもしれない、潜在的なインパクトを持っているということになります。

よりセキュリティトークンの仕組みに関して詳しく知りたい方は、こちらのSTO初心者おすすめ記事をご覧ください。

【初心者おすすめ】セキュリティトークン・STO(Security Token Offering)に関するブロックチェーン記事まとめ。ICOやユーティリティトークンとの違いから仕組みまで

 

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